糖尿病網膜症とは

現在、成人の失明原因の第1位となっている恐ろしい眼の病気が、糖尿病網膜症です。糖尿病が原因で網膜に異常をきたす病気です。網膜は多くの血管によって栄養を得ていますが、糖尿病になると、これらの血管が閉塞したり血管から栄養が漏れたりして網膜のすみずみまで酸素や栄養を充分には送れなくなってしまいます。その結果、出血や白斑などの出現、さらには硝子体出血、線維増殖膜形成、牽引性網膜剥離へと進み、失明に至る場合も少なくありません。


網膜症が出てくるのは、糖尿病になってから数年ないし10年ほどしてからが多いようです(7年で約50%、20年以上で約90%の発症)。

治療法

単純網膜症の段階では血糖コントロールを上手に保てば自然に軽快します。

しかし、それ以上に進んで、前増殖網膜症の段階ではレーザー光凝固術、増殖網膜症では硝子体手術といった外科的治療が必要になります。

早期発見法

糖尿病網膜症は初期には自覚症状が現れませんが、検査によって異常を発見することが可能です。また、早期発見であればあるほど、治療の成功率も高いものです。

具体的には精密眼底検査が有効です。精密眼底検査とは、目に光をあてて眼球の内側を観察しやすいよう目薬によって瞳の収縮を抑え(専門的には散瞳といいます)、検眼鏡という検査装置や眼底カメラを使って、網膜の毛細血管の出血や破綻を調べる検査です。この検査を行うと、ごく初期の小さな病変まで見つけ出すことができます。

眼底検査は、生活習慣病検診で受けることができますが、一般にいう眼底検査は精密眼底検査のように散瞳を行わず、眼底の中心部のみを対象にした写真撮影で診断する検査が主流です。そのため、眼底の周辺部にある糖尿病網膜症の初期症状を表す出血や白斑を必ずしも発見できるとは限りません。

糖尿病網膜症の早期発見には、通常の生活習慣病検診のほかに、眼科医による精密な眼底検査を定期期に行うことが必要です。また、2型糖尿病では、発病がいつからなのか正確にわからないため、糖尿病と診断されたときには、すでに網膜症がかなり進んでいる場合もあります。糖尿病と診断されたと同時に、眼科医の定期的な診断・精密検査をスタートさせ、習慣づけてください。